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関節リウマチとは

関節リウマチ(Rheumatoid Arthritis、RA)は、自己免疫反応によって関節の滑膜(関節を包む膜)に慢性的な炎症が起こり、関節の腫れ、痛み、硬直、機能障害を引き起こす病気です。進行すると関節の変形や破壊が生じ、日常生活に支障をきたすことがあります。

関節リウマチが進行した患者の手の写真

症状

関節リウマチの主な症状は以下の通りです。

・関節の痛み:特に朝起きた時や休息後に強く感じることが多いです。

・関節の腫れ:炎症によって関節が腫れます。

・関節の硬直:特に朝方や長時間の安静後に関節がこわばります(朝のこわばり)。

・関節の変形:進行すると関節の形が変わり、機能が損なわれます。

・疲労感:全身の倦怠感や疲労感が現れることがあります。

・発熱:微熱が続くことがあります。

原因

関節リウマチの正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています。

・遺伝的要因:HLA-DR4などの特定の遺伝子が関与しているとされています。

・環境要因:喫煙、感染症、ホルモンの変動などが発症リスクを高めることがあります。

・免疫系の異常:免疫系が誤って自分の関節組織を攻撃することで炎症が生じます。

診断方法

関節リウマチの診断には以下の方法が用いられます。

・病歴と身体検査:症状の詳細な聞き取りと関節の状態を確認します。

・血液検査

   ①リウマトイド因子(RF):関節リウマチの患者の多くで陽性となります。

   ②抗CCP抗体:高い特異性を持つ自己抗体で、関節リウマチの診断に役立ちます。

   ③炎症マーカー(CRP、ESR):炎症の程度を示す指標です。

・画像検査

   ①X線:関節の変形や破壊の有無を確認します。

   ②MRI:初期の関節炎や軟骨損傷を詳細に評価します。

   ③超音波:関節の炎症や腫れをリアルタイムで観察します。

治療方法

関節リウマチの治療は、症状の緩和と病気の進行を抑制することを目的としています。治療法には以下のものがあります。

・薬物療法

   ①非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):痛みと炎症を緩和します。

   ②コルチコステロイド:強力な抗炎症作用を持ち、急性症状の緩和に使用されます。

   ③抗リウマチ薬(DMARDs):メトトレキサート、レフルノミド、スルファサラジンなどが使用され、免疫反応を抑制し、病気の進行を遅らせます。

   ④生物学的製剤:TNF阻害薬(インフリキシマブ、エタネルセプトなど)やIL-6受容体阻害薬(トシリズマブ)などが使用され、強力な抗炎症効果を持ちます。

   ⑤JAK阻害薬:トファシチニブなどが使用され、免疫系の特定の経路をブロックします。

・物理療法:リハビリテーション、理学療法、作業療法などが含まれ、関節の機能を維持・改善します。

・手術:関節の重度の破壊や機能障害がある場合、関節置換術や関節固定術が行われることがあります。