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原発性胆汁性肝硬変とは

原発性胆汁性肝硬変(PBC)は、主に中年女性に多く見られる自己免疫性肝疾患です。この病気では、免疫系が誤って肝臓内の小さな胆管を攻撃し、炎症と破壊を引き起こします。胆管が破壊されると、胆汁が肝臓に滞り、肝細胞にダメージを与え、最終的には肝硬変に進行します。

原発性胆汁性肝硬変(PBC)の患部である、肝臓のイメージ写真

症状

PBCの症状は初期には軽度であり、徐々に進行します。一般的な症状には以下のものがあります。

疲労:持続的な疲労感や倦怠感。

・かゆみ:皮膚のかゆみが主な症状の一つです。

・黄疸:皮膚や目の白い部分が黄色くなる。

・乾燥症状:口や目の乾燥(シェーグレン症候群と関連する場合が多い)。

・腹痛:右上腹部の痛みや不快感。

・関節痛:一部の人は関節の痛みを感じることがあります。

・脂肪便:消化不良により便が脂っぽくなることがあります。

原因

PBCの正確な原因は不明ですが、自己免疫反応が主要な役割を果たしていると考えられています。以下の要因がリスクを増加させる可能性があります。

・遺伝的要因:家族歴がある場合、リスクが高まります。

・環境要因:特定の環境因子(細菌、ウイルス、毒素など)が関与している可能性があります。

・自己免疫疾患:他の自己免疫疾患(シェーグレン症候群、リウマチ性関節炎、甲状腺疾患など)を持つ人はリスクが高まります。

診断方法

PBCの診断には以下の方法が用いられます。

・血液検査:肝機能検査(ALT、AST、ALP、ビリルビン)や自己抗体(抗ミトコンドリア抗体:AMA)の測定。

・肝生検:肝臓の組織を採取し、顕微鏡で炎症や線維化の程度を確認します。

・画像検査:超音波検査、CTスキャン、MRIなどで肝臓の状態を評価します。

治療方法

PBCの治療は、症状の管理と病気の進行を遅らせることを目的としています。以下の治療法が一般的です。

・ウルソデオキシコール酸(UDCA):胆汁の流れを改善し、肝機能を維持するために使用されます。

・オベチコール酸:UDCAが効果がない場合や追加治療として使用されます。

・かゆみの管理:コレスチラミンやリファンピシンなどの薬剤がかゆみの軽減に使用されます。

・ビタミン補充:脂溶性ビタミン(A、D、E、K)の吸収障害を補うためにビタミン補充が行われます。

・生活習慣の改善:アルコールの摂取を控え、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

肝移植:進行した肝硬変や重篤な合併症が発生した場合、肝移植が唯一の治療法となることがあります。