Web予約
アクセス
お問合せ

非ホジキンリンパ腫(NHL)とは

 非ホジキンリンパ腫(NHL)は、リンパ系の白血球であるリンパ球ががん化する疾患です。リンパ球は、体の免疫システムの一部で、感染症やその他の病気と戦う役割を持っています。非ホジキンリンパ腫は、B細胞またはT細胞のリンパ球が関与する50種類以上の異なる疾患の総称です。これらのリンパ腫は、それぞれ異なる特徴を持ち、症状や予後も異なります。非ホジキンリンパ腫の約80〜85%はB細胞由来で、残りの15〜20%はT細胞由来となります。B細胞とT細胞は、免疫系の主要な構成要素であるリンパ球です。これらの細胞は、体を感染症や異物から守るために重要な役割を果たします。

 異なった病気の総称として非ホジキンリンパ腫と呼ばれますが、大きく分けて2つに分類することがございます。

インドレントリンパ腫

  ・ゆっくりとした進行を示す。

  ・寛解期間は様々であるが、現在の標準治療では治癒は得られないことが多い。

アグレッシブリンパ腫

  ・進行が速い。

  ・標準化学療法による治癒率が高い

 非ホジキンリンパ腫は中~高年齢層に多く見られる病気ですが、小児や若年層にもみられます。小児や若年層はアグレッシブリンパ腫が多くみられます。

 また、白血病も白血球から発生するがんです。白血病では、がん化した白血球のほとんどが血流中と骨髄内にみられます。リンパ腫では、がん化した白血球のほとんどがリンパ節の内部や臓器内にみられます。しかし、白血病ではリンパ節や臓器、リンパ腫では血流中にがん細胞がみられることもあり、白血病と非ホジキンリンパ腫には同じ特徴がときにみられます。

非ホジキンリンパ腫(NHL)をイメージした血液

症状

リンパ節の腫れ:首、わきの下、脚の付け根にあるリンパ節が急速に腫れることが多く、通常は痛みを伴いません。

臓器の圧迫:腫れたリンパ節が臓器を圧迫して、せきや呼吸困難、痛みなどの症状を引き起こすことがあります。また、食欲不振、便秘、脚の進行性浮腫(むくみ)などを引き起こすことがあります。

全身症状:発熱、大量の夜間の発汗、倦怠感、体重減少などの全身症状が見られることがあります。

原因

 ほとんどの非ホジキンリンパ腫の原因は明確ではありません。しかし、一部の稀なタイプではウイルスの関与が示唆されており、以下のリスク要因があります。

特定のウイルス感染:ヒトT細胞白血病ウイルス1型やエプスタイン-バーウイルス、ヘリコバクター・ピロリなど細菌感染などが関与することがあります。

遺伝性の免疫不全症候群

後天性免疫不全症

臓器移植後の免疫抑制療法

診断方法

生検:腫れたリンパ節や骨髄の組織を採取し、顕微鏡で観察することで診断が行われます。

画像検査:PET-CTやMRIなどの画像検査が行われ、病期の診断やがんの広がりを確認します。

治療方法

 非ホジキンリンパ腫の治療法は、がんの進行度や患者の健康状態に依存します。

化学療法:抗がん剤を使用してがん細胞を攻撃します。

放射線療法:がん細胞に高エネルギーの放射線を照射します。

・免疫療法:モノクローナル抗体を使用して、がん細胞を標的とする治療法です。

幹細胞移植:再発した場合や難治性の場合には、幹細胞移植が行われることがあります。