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ケロイドとは

ケロイド(Keloid)は、皮膚の傷や炎症が治癒する過程で、過剰な瘢痕組織が形成されることで生じる病気です。ケロイドは通常の傷跡よりも大きく、盛り上がり、赤みや痛み、かゆみを伴うことがあります。傷が治癒した後も成長し続け、健康な皮膚を越えて広がることが特徴です。

ケロイドが発症した、手の甲の写真

症状

ケロイドの主な症状は以下の通りです。

・盛り上がった瘢痕(はんこん):傷跡が周囲の健康な皮膚よりも盛り上がって見えます。

・患部の拡大:時間とともに傷の範囲を越えて広がることがあります。

・赤みや暗色化:ケロイドは通常、赤みを帯びたり、暗い色になることがあります。

・かゆみや痛み:かゆみや痛みを伴うことがあります。特に初期の段階ではかゆみが強く感じられることが多いです。

原因

ケロイドの正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています。

・遺伝的要因:ケロイドは家族内で遺伝することがあり、特定の人々に多く見られます。特にアフリカ系やアジア系の人々に多く発生します。

・傷や外傷:手術、外傷、やけど、刺青、ピアス、にきびなど、皮膚に傷をつける行為がきっかけとなることがあります。

・皮膚の緊張:皮膚が引っ張られる部位(肩、胸、上腕、耳たぶなど)に発生しやすいです。

診断方法

ケロイドの診断は、主に臨床所見に基づいて行われます。医師は以下の点を考慮します。

・病歴:以前の傷や外傷の有無、家族歴など。

・視診と触診:盛り上がった瘢痕の形状、色、広がり具合などを確認します。

・病理検査:必要に応じて、瘢痕組織の一部を採取して顕微鏡で確認することがあります。

治療方法

ケロイドの治療は困難であり、完全に治癒させることは難しいですが、症状を軽減し、拡大を防ぐための治療法がいくつかあります。

・ステロイド注射:瘢痕組織に直接ステロイドを注射し、炎症を抑え、ケロイドの縮小を図ります。

・シリコンゲルシート:ケロイドの上にシリコンゲルシートを貼ることで、圧力をかけ、瘢痕の形成を抑える効果があります。

・冷凍療法(クライオセラピー):液体窒素を使用してケロイドを凍結し、瘢痕組織を縮小させる治療法です。

・手術:ケロイドを切除する手術が行われることがありますが、再発のリスクが高いため、他の治療法と併用されることが多いです。

・放射線療法:手術後に放射線を照射し、再発を防ぐために使用されることがあります。

・レーザー治療:レーザーを使用して瘢痕組織を削り、瘢痕を目立たなくする治療法です。

・免疫療法:インターフェロンや5-FU(5-フルオロウラシル)などの免疫抑制薬を使用して、ケロイドの成長を抑えることがあります。

予防

ケロイドを予防するためには、以下の対策が有効です。

・傷のケア:傷ができた場合は早めに適切なケアを行い、感染を防ぎます。

・圧迫療法:瘢痕が形成されやすい部位に対しては、圧迫療法を行うことが推奨されます。

・シリコンゲルシートの使用:傷が治癒する際にシリコンゲルシートを使用することで、ケロイドの形成を抑えることができます。