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川崎病とは

川崎病(Kawasaki Disease、またはKawasaki Syndrome)は、主に5歳以下の乳幼児に発症する全身性の血管炎症疾患です。この病気は、日本の小児科医である川崎富作博士によって初めて報告されました。川崎病は冠動脈(心臓を取り巻く動脈)に影響を及ぼすことがあり、早期診断と適切な治療が予後を大きく左右します。疑わしい症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の診察を受けることが重要です。

川崎病の患部である、全身の血管をイメージした写真

症状

川崎病の症状は、急性期(発症から2週間程度)に最も顕著で、その後、亜急性期(2〜4週間)と回復期(1〜2ヶ月)に分かれます。主な症状は以下の通りです。

■急性期の症状

・発熱:高熱(38.5度以上)が5日以上続きます。

・発疹:体幹、四肢、顔などに発疹が現れます。

・眼の充血:両目が赤く充血しますが、目やには出ません。

・唇や口の粘膜の変化:唇が赤く腫れ、ひび割れたり、口内が赤くなることがあります。

・リンパ節腫脹:特に首のリンパ節が腫れます。

・手足の変化:手足が赤く腫れ、皮がむけることがあります。

■亜急性期の症状

・皮膚のむけ:特に指先やつま先の皮膚がむけます。

・冠動脈瘤のリスク:冠動脈に瘤(りゅう)ができる可能性があります。

■回復期の症状

・症状の軽減:発熱や急性の症状が徐々に改善しますが、冠動脈の異常が残る場合があります。

原因

川崎病の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています。

・感染症:ウイルスや細菌の感染が引き金となる可能性がありますが、特定の病原体は特定されていません。

・遺伝的要因:家族内で発症するケースがあり、遺伝的な要因が関与していると考えられています。

・免疫系の異常:免疫反応の異常が全身の血管炎を引き起こす可能性があります。

診断方法

川崎病の診断は、主に臨床症状に基づいて行われます。以下の症状のうち5つ以上が揃う場合に川崎病と診断されることが多いです。

高熱が5日以上続く

②両目の充血

③唇や口の粘膜の異常

④体の発疹

⑤手足の変化

⑥首のリンパ節の腫れ

また、追加の検査として以下のものが行われることがあります。

・血液検査:炎症マーカー(CRP、白血球数など)の上昇を確認します。

・心エコー検査:冠動脈の異常(冠動脈瘤など)を確認します。

治療方法

川崎病の治療は、早期の診断と適切な治療が重要です。治療の主な目標は、炎症を抑えて冠動脈の損傷を防ぐことです。

・免疫グロブリン療法(IVIG):大量の免疫グロブリンを点滴で投与し、炎症を抑えます。これにより、冠動脈瘤の発生リスクが低下します。

・アスピリン:炎症を抑えるために、高用量のアスピリンを初期治療で使用し、その後、低用量で抗血小板作用を持続させます。

・ステロイド:免疫グロブリン療法に反応しない場合や重症例では、ステロイドの使用が検討されることがあります。