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強度近視とは
強度近視(きょうどきんし、High Myopia)は、屈折異常の一種であり、眼軸(眼の長さ)が正常よりも長くなりすぎることによって、遠くのものがぼやけて見える状態です。一般的に、近視度数が-6.00ディオプトリー(D)以上の場合に強度近視と診断されます。強度近視は、視力障害を引き起こすだけでなく、他の眼疾患のリスクを高めることもあります。

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症状
強度近視の主な症状は以下の通りです。
・遠くのものがぼやける:遠方視力が低下し、遠くのものがはっきり見えない。
・眼精疲労:目が疲れやすくなる。
・頭痛:長時間の近業作業や目を使う作業の後に頭痛が生じることがあります。
・視力の低下:特に夜間や暗い場所での視力が低下することがあります。
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原因
強度近視の原因は複数の要因が関与しています。
・遺伝的要因:近視の家族歴がある場合、強度近視になるリスクが高まります。
・環境要因:長時間の近業作業(読書、コンピュータ作業など)や室内活動が多いことが近視の進行に関与することがあります。
・成長期:特に子供の成長期において、眼軸が過度に伸びることが原因となります。
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診断方法
強度近視の診断には以下の方法が用いられます。
・視力検査:遠くのものがどの程度見えるかを評価します。
・屈折検査:屈折異常の度合いを測定し、近視の程度を確認します。
・眼軸長の測定:眼軸の長さを測定し、異常な伸びを確認します。
・眼底検査:網膜や黄斑、視神経の状態を確認し、合併症の有無を調べます。
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治療方法
強度近視の治療には以下の方法があります。
・メガネやコンタクトレンズ:視力矯正のために使用されます。強度近視用のレンズが必要です。
・オルソケラトロジー(オルソK):特殊なハードコンタクトレンズを夜間装用し、角膜の形状を一時的に矯正する方法です。
・レーシック手術:レーザーを使用して角膜の形状を矯正し、視力を改善する手術です。ただし、強度近視の場合、リスクが高いため慎重な判断が必要です。
・フェイキックIOL(有水晶体眼内レンズ):自然の水晶体を残したまま、眼内にレンズを挿入して視力を矯正する手術です。
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予防(管理方法)
強度近視の進行を遅らせるためには、以下の方法が有効です。
・定期的な眼科検診:視力の変化や合併症の早期発見のために、定期的に眼科を受診します。
・適切な近業作業の管理:長時間の近業作業を避け、適度に休憩を取ることが推奨されます。
・屋外活動:日光に当たる時間を増やすことで、近視の進行を遅らせる効果があるとされています。
・バランスの取れた食事:栄養バランスの良い食事を心がけ、全身の健康を維持します。
強度近視は適切な治療と管理により、視力を維持し、合併症のリスクを最小限に抑えることが可能です。疑わしい症状がある場合は、早めに眼科を受診し、専門医の診察を受けることが重要です。