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食道がんとは

食道がんは、食道の内壁を覆う細胞ががん化し、異常増殖する疾患です。食道は、口から胃へと食べ物や飲み物を運ぶ管状の器官で、食道がんはこの管の内壁から発生します。最も一般的な食道がんは、下記2つのタイプがあります。

・扁平上皮がん

食道の内壁を覆う扁平上皮細胞から発生するがんで、上部食道によくみられます。特に日本や中国を含むアジア地域ではこのタイプが多く見られます。

・腺がん

食道下部の腺細胞から発生します。欧米ではこのタイプが一般的です。

食道がんの患部である、食道に腫瘍ができたイメージ写真

症状

食道がんの初期症状は軽微で見逃されがちですが、がんが進行するにつれて以下のような症状が現れることがあります。

嚥下困難:がんが大きくなるにつれて、食道が狭くなります。それにより、固形物を飲み込むのが難しくなります。進行すると液体も困難になることがあります。

・体重減少:意図しない体重減少。

・胸や背中の痛み:がんが周囲の組織に浸潤すると痛みが出ることがあります。

・嗄声:声がかすれることがあります。これはがんが声帯の神経に影響を与えるためです。

・咳:特に食事中や食後に咳が出ることがあります。

・食道出血:進行したがんでは、出血が見られることがあります。

原因

食道がんの具体的な原因は完全には解明されていませんが、いくつかのリスク要因が知られています。

・喫煙・飲酒:特に高濃度のアルコール摂取はリスクを増加させます。扁平上皮がんの発症と密接な関係があります。

・特定の病歴:ヒトパピローマウイルス感染症や頭頸部がんの病歴、食道に対する放射線療法を受けたことがある方は、発生リスクが高まります。また、アカラシアや食堂ウェブ(プラマー-ビンソン症候群)のような食道の病気がある人や、食堂が狭くなっている人も扁平上皮がんの発生リスクが高くなります。

・慢性的な胃食道逆流症(GERD):長期間にわたる胃酸の逆流により、バレット食道を引き起こします。これにより、食道の下部に腺がんを引き起こすことがあります。

・バレット食道:胃酸の逆流を繰り返すことで、食道の細胞に変化がおきます。そして、前がん状態になることがあります。その状態をバレット食道と呼びます。

・肥満:胃食道逆流症のリスクが高いため、腺がんのリスクを高めます。

・食事:熱い飲み物や塩辛い食品の摂取もリスクを増加させることがあります。

・遺伝的要因:家族歴がある場合、リスクが増加します。

診断方法

食道がんの診断には以下の方法が用いられます。

・内視鏡検査:内視鏡を使って食道の内部を直接観察し、異常な部分から組織を採取して生検を行います。

・バリウム検査:バリウムを飲んで食道のX線写真を撮影し、異常を確認します。

・CTスキャンやPETスキャン:がんの広がりや転移の有無を確認します。

・超音波内視鏡(EUS):内視鏡に超音波を組み合わせて、がんの浸潤の深さやリンパ節への転移を評価します。

治療方法

食道がんの治療法は、がんの進行度や患者の全身状態に依存します。

・手術:がんが食道に限局している場合、食道切除術が行われます。

・放射線療法:がんの縮小や症状の緩和のために使用されます。

・化学療法:抗がん剤を使用してがん細胞を攻撃します。Stageによっては放射線療法と併用されることが多いです。

・免疫療法:免疫チェックポイント阻害薬と殺細胞性抗がん剤を組み合わせた治療が行われます。

・内視鏡的治療:初期のがんに対しては、内視鏡を用いてがんを切除する方法が選択されることがあります。