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大腸がんとは

大腸がんは、大腸の内壁に発生する悪性腫瘍です。大腸は、結腸と直腸から構成されており、大腸がんはこれらの部位に発生します。大腸がんは、特に先進国で多く見られ、がんによる死亡原因の上位となっています。

大腸がんの患部である、大腸のイメージ写真

症状

大腸がんの初期段階では症状がほとんどないことが多いですが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

・便通の変化:下痢や便秘が続く、便が細くなるなどの便通の変化。

・血便:便に血が混じることがあります。これは肉眼で確認できる場合もあれば、検査で初めて分かる場合もあります。

・腹痛:腸が閉塞することによる、腹部の痛みや不快感。

・体重減少:意図しない体重減少。

・倦怠感:持続的な疲労感や全身の倦怠感。

・貧血:慢性的な出血による貧血。

原因

大腸がんの具体的な原因は完全には解明されていませんが、いくつかのリスク要因が知られています。

・食事:高脂肪・低繊維の食事や加工肉、赤身肉の多い食事がリスクを増加させるとされています。

・家族歴:家族に大腸がんの既往がある場合、リスクが高まります。

・遺伝的要因:リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん(HNPCC))や家族性大腸腺腫症(FAP)など、遺伝性の疾患がリスクを高めます。

・年齢:50歳以上の人でリスクが増加します。

・炎症性腸疾患:潰瘍性大腸炎やクローン病などの慢性的な炎症性腸疾患があるとリスクが高まります。

・肥満:体重過多や肥満がリスクを増加させます。

・運動不足:身体活動が少ないとリスクが高まります。

・喫煙と飲酒:喫煙や過度の飲酒もリスク要因です。

診断方法

大腸がんの診断には以下の方法が用いられます。

・便潜血検査:便中の血液を検出する検査です。初期の大腸がんのスクリーニングに使用されます。

・内視鏡検査:大腸内視鏡検査(コロノスコピー)で大腸の内壁を直接観察し、ポリープやがんの有無を確認します。異常が見つかった場合は、生検を行い、組織を採取して顕微鏡で確認します。

・画像検査:CTスキャンやMRI、バリウム注腸検査で大腸や他の臓器の詳細な画像を取得し、がんの広がりや転移の有無を調べます。

・血液検査:腫瘍マーカー(CEAなど)の測定が行われることがあります。

治療方法

大腸がんの治療法は、がんの進行度や患者の全身状態に依存します。

・手術:がんが限局している場合、がんの部分を切除する手術が行われます。早期がんの場合は内視鏡的切除が行われることもあります。

・化学療法:進行がんや手術後の再発予防として、抗がん剤を使用します。

・放射線療法:特に直腸がんでは、手術前後に放射線療法が行われることがあります。

・標的療法:がん細胞の特定の分子を標的とする治療法が使用されることがあります。