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閉塞隅角緑内障とは

閉塞隅角緑内障(へいそくぐうかくりょくないしょう、Angle-Closure Glaucoma, ACG)は、眼の隅角(虹彩と角膜の間の角度)が狭くなり、房水(眼内液)の排出が妨げられることで眼圧が急激に上昇し、視神経が損傷される緑内障の一種です。急性発作を起こすことがあり、その場合は緊急治療が必要です。

閉塞隅角緑内障(緑内障)の患者の写真

症状

閉塞隅角緑内障の症状は急性と慢性の形態によって異なります。

急性閉塞隅角緑内障

・激しい眼痛:突然の強い眼の痛み。

・視力低下:急激な視力の低下。

・虹視症:光源の周りに虹のような輪が見える。

・頭痛:特に眼の周りや頭の痛み。

・吐き気や嘔吐:眼痛に伴って吐き気や嘔吐が起こることがあります。

・充血:眼の充血。

慢性閉塞隅角緑内障

・視野欠損:視野が徐々に狭くなります。

・軽度の眼痛:しばしば軽度の眼痛や目の違和感を感じることがあります。

・視力低下:ゆっくりと進行する視力低下。

原因

閉塞隅角緑内障の原因には以下の要因が関与しています。

・解剖学的要因:眼の解剖学的構造が隅角の狭窄を引き起こしやすい形状をしている場合があります。特に浅い前房(角膜と虹彩の間のスペース)を持つ人がリスクが高いです。

・年齢:加齢と共に水晶体が肥大し、隅角が狭くなることがあります。

・遺伝的要因:家族歴がある場合、リスクが高まります。

・民族的要因:特にアジア系やエスキモーの人々に多く見られます。

診断方法

閉塞隅角緑内障の診断には以下の方法が用いられます。

・眼圧測定:眼圧を測定し、通常よりも高いことを確認します。

・隅角検査(ゴニオスコピー):隅角の広がりを観察し、閉塞の有無を確認します。

・視野検査:視野の欠損を評価します。

・OCT(光干渉断層計):隅角や視神経の詳細な断層画像を取得し、損傷の程度を評価します。

・眼底検査:視神経の状態を観察します。

治療方法

閉塞隅角緑内障の治療は、眼圧を迅速に下げることを目的としています。急性発作の場合は緊急治療が必要です。治療法には以下のものがあります。

急性閉塞隅角緑内障

・薬物療法:眼圧を下げるための点眼薬や内服薬が使用されます。マンニトールやアセタゾラミドが一般的です。

・レーザー虹彩切開術:レーザーを使用して虹彩に小さな穴を開け、房水の流出を促進します。

・外科手術:レーザー治療が効果を示さない場合、外科的手術が検討されます。

慢性閉塞隅角緑内障

・薬物療法:眼圧をコントロールするために点眼薬が使用されます。

・レーザー治療:隅角の開放を促すためにレーザー虹彩形成術やレーザー虹彩切開術が行われます。

・外科手術:薬物療法やレーザー治療が効果を示さない場合、隅角の開放を目的とした外科手術が行われることがあります。