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胃がんとは
胃がんは、胃の内壁に発生する悪性腫瘍です。胃は食べ物を消化するための重要な臓器であり、胃がんはこの臓器の粘膜から発生するがんです。胃がんは特に日本を含む東アジアで多く見られる病気です。胃がんの約95%は腺がんとなります。
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症状
胃がんの初期段階では症状が現れにくいですが、進行すると以下のような症状が見られることがあります。
・腹痛:特に上腹部の痛み。焼けるような痛みがあることもあります。
・食欲不振:食欲が減退し、体重が減少することがあります。
・吐き気・嘔吐・吐血:食事後に吐き気や嘔吐が起こることがあります。まれに、吐血をすることもあります。
・胃の不快感:食後に胃の不快感や膨満感を感じることがあります。
・胸やけ:胃酸の逆流による胸やけが生じることがあります。
・黒色便:出血がある場合、便が黒くなることがあります。
・貧血:出血が続くと貧血になることがあります。
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原因
胃がんの原因とリスク要因には以下のものがあります。
・ヘリコバクター・ピロリ感染:この細菌の感染は胃がんの主要なリスク要因です。
・胃ポリープ:悪性化する事があるため、切除をします。ポリープが腺細胞にできたり、2cm程より大きくなると腺がんが起きやすくなります。
・食事:高塩分、高硝酸塩の食品、特に塩漬け食品や燻製食品の摂取がリスクを増加させます。
・喫煙:タバコの使用が胃がんのリスクを高めます。
・アルコール:過度のアルコール摂取もリスク要因とされています。
・家族歴:胃がんの家族歴がある場合、リスクが高まります。
・年齢:50歳以上の人でリスクが増加します。
・遺伝的要因:特定の遺伝子変異がリスクを増加させることがあります。
・慢性胃炎:慢性的な胃の炎症がリスクを高めます。
・肥満:特に胃の上部(噴門部)のがんリスクを高めます。
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診断方法
胃がんの診断には以下の方法が用いられます。
・内視鏡検査(胃カメラ):胃の内部を直接観察し、異常な部分から組織を採取して生検を行います。
・バリウム検査:バリウムを飲んで胃のX線写真を撮影し、異常を確認します。
・CTスキャン:がんの広がりや転移の有無を確認するために使用されます。
・MRI:特に詳細な画像を取得するために使用されます。
・血液検査:貧血や腫瘍マーカー(CEA、CA 19-9など)の測定が行われます。
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治療方法
胃がんの治療法は、がんの進行度や患者の全身状態に依存します。
・手術:がんが限局している場合、胃の一部または全部を切除する手術が行われます。リンパ節の切除も行われることがあります。
・内視鏡的治療:早期がんに対しては、内視鏡を用いてがんを切除することが可能です。
・化学療法:進行がんや手術後の再発予防として、抗がん剤を使用します。
・放射線療法:特定のケースで使用されることがあります。
・分子標的療法:HER2陽性のがんに対しては、トラスツズマブなどの標的治療薬が使用されます。
・免疫療法::進行の程度、がん遺伝子検査の結果によっては免疫チェックポイント阻害薬を使う場合があります。