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尋常性白斑とは

尋常性白斑(じんじょうせいはくはん、Vitiligo)は、皮膚の色素細胞(メラノサイト)が破壊されることにより、皮膚の一部が白くなる自己免疫性の疾患です。この病気は、身体のどの部分にも現れる可能性があり、特に顔、手、腕、脚、足、口や目の周りに多く見られます。またこの疾患には、日焼け対策等の適切な管理が必要となります。

尋常性白斑の症状がみられる、小児の写真

症状

尋常性白斑の主な症状には以下のものがあります。

・皮膚の色素脱失:皮膚の一部が白くなる。色素脱失した部分は、健康な皮膚と明確に区別されます。

・対称性:色素脱失は通常、体の両側に対称的に現れます。

・毛髪の変色:色素脱失した部分の毛髪が白くなることがあります。

・粘膜の変色:口の内部や鼻の粘膜が変色することがあります。

原因

尋常性白斑の正確な原因は不明ですが、以下の要因が関与していると考えられています。

自己免疫反応:免疫系が誤ってメラノサイトを攻撃し、破壊することが原因とされています。

・遺伝的要因:家族歴がある場合、リスクが高まります。

・環境要因:ストレス、外傷、日焼けなどが発症や悪化の引き金になることがあります。

・神経性要因:神経伝達物質がメラノサイトに影響を与える可能性があります。

診断方法

尋常性白斑の診断には以下の方法が用いられます。

・病歴と身体検査:症状の詳細な聞き取りと身体検査を行います。

・ウッド灯検査:紫外線を当てることで、色素脱失部位を確認します。

・皮膚生検:必要に応じて、皮膚の組織を採取し、顕微鏡で評価します。

血液検査:他の自己免疫疾患(甲状腺疾患、糖尿病など)の有無を確認するために行われることがあります。

治療方法

尋常性白斑の治療法には以下のものがありますが、完全に色素を戻すことは難しい場合があります。

局所治療

   ①ステロイドクリーム:色素脱失の進行を遅らせるために使用されます。

   ②カルシニューリン阻害薬:免疫反応を抑制し、色素再生を促します。

・光線療法

   ①PUVA療法:光感受性物質を使用し、紫外線A(UVA)を照射する方法。

   ②NB-UVB療法:ナローバンドUVBを照射する方法。

外科的治療

   ①皮膚移植:健康な皮膚を色素脱失した部分に移植する方法。

   ②メラノサイト移植:メラノサイトを培養し、色素脱失部位に移植する方法。

   ③脱色療法:重度の場合、残存する色素を脱色し、全体の皮膚の色を均一にする方法(ハイドロキノンなど)。