がんゲノム医療はがんの原因に着目した医療です
がんは遺伝子の病気です。発生メカニズムを知ると、同じ種類のがんに⾒えても、原因や治療法が個⼈によって異なります。
・家族の多くにがんの⽅がいる
・症状が典型的でない
・治療法が効かなかった
・希少がん・特殊ながん
特に、こうした症状の患者様は、根本の原因を誤ったまま治療を⾏なってしまう可能性があります。
当院のがん全ゲノム検査は、全ての遺伝⼦異常を⾒ることで、病気の根本の原因を突き⽌め、根本の原因に対峙する治療法を探す、オーダーメイド型最新がん治療です。
がんゲノム医療とは
がんは、遺伝⼦の変異が原因で発症する病気です。⽣きていると遺伝⼦に傷がついてしまうことがあります。これを体細胞変異とよびます。こうした変異の集積でがんが発⽣すると⾔われています。また、現在のがん治療は、臓器ごと(例えば「胃がん」「⼤腸がん」「乳がん」等)に⾏われています。
がんゲノム医療は、原因となる遺伝⼦変異(原因となる遺伝⼦をドライバー遺伝⼦といいます)に着⽬した医療です。がん遺伝⼦により産⽣されるタンパク質などを標的とした分⼦標的薬等の登場で治癒率が上がったり、仕事や家事を続けられたりする⼈が増えています。発⽣臓器を超えて、遺伝⼦変異によって治療戦略を組み⽴てるのが、がんゲノム医療です。
例えば、「胃がん」と診断された患者様でも、原因となるドライバー遺伝⼦を⾒ると、「乳がん」の薬剤が効く場合があります。こうした可能性を、遺伝⼦から⾒つけるのが「がんゲノム医療」です。
現在のがんゲノム医療との違い
2019年に「がん遺伝⼦パネル検査」が保険適⽤となり、がんゲノム医療が本格的に始まりました。パネル検査とは、約3万の遺伝⼦から、典型的ながんの遺伝⼦(200〜300種類)の異常のみを解析する検査となります。
⼀⽅で全ゲノム検査は全てのゲノム配列異常を検出するので(30億塩基)、調べていない配列がありません。
遺伝子変異には、点変異、コピー数異常、構造変異・・・など様々な変異のパターンがあります。パネル検査は一般的には点変異の検出には強いと言われていますが、その他の変異パターンの検出には弱いと言われています。
実際に、がん患者の約25%はパネル検査では検出しきれない複雑な遺伝⼦変異を起こしているという研究結果が出ております。そして、実際に治療に結び付く患者様は、パネル検査を受診した⽅の約15%程と報告があります。
発がんメカニズムは複雑なために、点変異以外にも様々な変異パターンがあります。そのような変異パターンは、新たな治療ターゲットになりうる可能性があります。全ゲノム検査はゲノム情報の全貌を把握可能なために、これらの様々な変異パターンの検出に優れているという報告があります。そのため、新たな治療ターゲットの発見に有効と当院では考えております。
全ゲノムのがんゲノム医療でがんを克服
全ゲノム検査は、⼈の遺伝⼦を⽂字通り「全て」調べる検査です。海外の研究では、全ゲノム検査(DNAのみ)で、約62%のケースで治療法が⾒つかり、その約33%は、パネル検査では検出されない領域に変異が⾒つかったという報告があります。
さらに、RNAも⼀緒に検査することで、約70%の⽅に治療法が発⾒され、約40%に実際に効果があったという報告があります。
当院の全ゲノム検査は、DNAとRNAの両⽅を解析する最新の全ゲノム検査です。厚⽣労働省は保険診療に向けて準備を進めていますが、当院の医師は、この国のプロジェクトに本ゲノム検査の技術を提供しています。
当院の全ゲノムベースのがんゲノム医療の特徴
当院は、⽇本で最先端のがんゲノム医療を開発している、cBioinformatics社と全⾯提携しています。cBioinformatics社は⾼い技術⼒が認められ、国策事業のゲノム解析を担当するといった、他にはない有数の実績を持った企業です。
cBioinformatics社の全ゲノム検査「Ultima Cancer Report」を基に、最先端のがんゲノム医療を提供しています。 がんゲノム医療に精通した腫瘍内科医が、⻑年培ったバイオインフォマティクス技術によって、最善の治療案をご提案いたします。
全ゲノム検査の結果説明には、下記のようなレポートをお渡ししております。患者様の遺伝子変異に基づき、治療薬の候補や適合臨床試験候補等がまとめられております。
⽇本では、がんゲノム医療に基づく治療を⾏える病院は限られているため、治療に関しては、提携病院をご紹介できます。
検査方法
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①初診予約~カウンセリング
まずはご予約をしていただきご来院くださいませ。(当院は完全予約制とさせていただいております。予めご了承ください。)
初めての診察では、カウンセリングをさせていただきます。主治医の先生のお話や今までおこなってきた治療等をお伺いさせていただきます。
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②採血
2回目のご来院時に採血をさせていただきます。
※初回診察の際に採血までおこなうことも可能です。事前にご相談くださいませ。
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③遺伝子解析
採血にていただいた検体を遺伝子解析(全ゲノム検査)いたします。cBioinformatics社の高い技術力で、あらゆる変異パターンを検出します。
※解析には日数をいただいております。
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④結果説明・治療法ご提案
3回目のご来院で、全ゲノム検査の結果説明をいたします。
(1)治療薬が見つかった場合
提携している医療機関様をご紹介させていただきます。
(2)治療薬が見つからなかった場合
当院にて「樹状細胞ワクチン療法」をご提供いたします。
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⑤経過の確認・再発チェック
治療後は定期的に経過の確認をいたします。再度、遺伝子検査をおこなうことにより、再発の有無を早期発見できます。
再発チェック検査は1年に2~3回ほどを推奨しております。
治療費
項目 | 検査内容 | 治療費(税込) |
初診料 | カウンセリング・診察料 | 33,000円 |
全ゲノム検査費用 | 採血検査・遺伝子解析・結果説明 | 968,000円~ 2,838,000円 |
再発チェック検査 | 採血検査・遺伝子解析・結果説明 ※患者様の遺伝子変異や症状により最適な検査をご提案いたします。 | 63,800円~ 275,000円 |
樹状細胞ワクチン療法 | ワクチン作成・投与 ※樹状細胞ワクチン療法のみご希望の場合は、別途遺伝子検査費用が発生します。 経過により、投与回数に個人差がございます。 | 1,980,000円~ |